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LIVE REPORT:外道(with 隠密同心/GIA RHYTHM)@心斎橋SOMA

お待たせしました、日曜日のレポに取り掛かります。

外道のライブを見るのはもうかれこれ5回目になる。最初は頭脳警察とのダブルヘッダー、その後はOA付きで真打が1時間〜1時間半くらいのステージを展開するという感じだったが、毎回そのエネルギッシュさには圧倒されてきた。同じくLOUDNESSBOWWOW以前から日本でハード・ロックと呼ばれる音楽をやってきたバンドとしては紫と同じくらい古く、あちらさんが沖縄からなかなか出てこず、関西に来ても平日の神戸が多いという、私には辛い現状に対して、こちらさんはかなりマメにツアーを行って見る機会も少なくない。これは非常にありがたいことだ。

OAで予約したら特別料金というシステムもありがたく、私も過去に一度その恩恵にあずかったものだが、以前GALMETがOAだった時はちょっと「?」と思ったものだ。だってそっち目当てのお客さんたちがまずモッシュしまくり、そっちが終わったらホールから出て外にたむろしてるという有様だったもん。いくら特別料金でもそれはないんじゃない?せっかく年代物の熱いロックを味わえるいい機会なのに…「若い人にも外道を見てほしくてこの組み合わせにした」という某カメラマンさんの意図は思いっきり外されてしまったのだ。あ、ギャルバンあるところによく現れる某兵長さんはしっかり外道の最後まで見て帰ってましたよ。その辺は彼の意外な一面を見たというか、実はその場の雰囲気を考えてる(「空気を読んでる」とは言わない。私はあの言葉が嫌いだから)んだなあと感心したものだ。

さて今回のOAは初めて見る若いバンドと、問題のGALMETがOAの時にお互い「観客として」知り合った人のバンド。この組み合わせならOAが終わっても外でたむろすることもなく皆が最後まで真打を見て帰ってくれるだろうと思った。あの時みたいに客層が剥離してないようだからね。

じゃ、無駄話はここまでにして本編行きます。

GIA RHYTHM

メンバーを見たら皆若そうなのに、しっかりした演奏と歌、そしてバラエティに富みながらも魅力ある楽曲を展開してくれた。ところがよく聞くとヴォーカル&ギターのみが正式メンバーで、他はこの日だけに集まったサポートなのだとか。それにしては一体感が強力でしっかりまとまった演奏を聴かせてくれたし、その辺はリーダーのやりたいことがはっきりしてるのと人徳ゆえだろうと感じた。

隠密同心

お互い「観客として」知り合い、その後も何度か顔を合わせ、実は自身もバンドをやってるギタリストだと知ったシン・マツウラ氏率いるトリオ。今回はこちらで予約したために安く入れました(笑)。去年だったかバンドのライブも見たが、高い演奏力と、私より少し若いくらいながらも、Charやジミヘンの曲を中心にやるという趣味の渋さに感心したものだ。

今回はなんと大胆にも、真打の外道の曲ばかりをやると言う。更にはリハで知ったようだが、数曲被ってるとか。でも、今回もギターをはじめ実にしっかりした演奏でまるでオリジナルの如く聴かせてくれた。元々の入口が80年代メタルで、それに飽き足らずもっとさかのぼってこういう渋いバンドにたどり着いたんやねえという、ルーツの違いゆえの本家とのスタイルの違いも感じられて面白かった。これはオリジナルをやったらいいものが出来るんじゃない?という可能性を強く感じさせてくれた。

外道

さあいよいよ真打登場。唯一のオリジナルメンバーである加納秀人(ギター&ヴォーカル)、難波弘之率いるセンス・オブ・ワンダーでも共に活動している松本慎二(ベース)とそうる透(ドラムス)というおなじみの顔ぶれ。もうこのメンバーが姿を現しただけでテンション上がるね。

そして演奏がスタートしたんだが…いきなり凄い爆音というか音圧。序盤は機材がトラブってあんなんやこんなんがあったことは私でさえ見て取れたが、それで場内のテンションを落とすことなく熱のこもった演奏を聴かせるのはさすが歴戦の勇者たち。トラブルが解消された後はまた一段と爆音で…でもそれが不快に感じず、三者三様の個性を主張しながらも一体感も凄いというのだから驚きだ。

MCは例によって松本さんが担当。時に透さんと掛け合いになりながらいろいろ面白い話をしてくれたけど、もう内容は覚えてません(笑)。それにしてもこのリズム隊が(毎度のことながら)強力で、樋口さん亡き今、日本じゃトップクラスじゃないかと思える透さんのパワフルかつテクニカルなドラミング、その間を縫うようにうねる松本さんのベース、あまりのパワフルさにケツが痛くなってくるほどだ。そしてその上に乗っかる加納さんのギターがまた心地良く…音色からフレーズまでその辺の若い衆が束になってもかなわないくらいの深い味わい、そして熱気、確かなテクニックを聴かせてくれた。歌の方もこの人にしか出せない味わいがあって良かった。

ライブの構成自体はまあ、以前から大きく変化はない…が、今のメンバーになってからここ数年の間に2枚のオリジナルアルバムを発表しており、そこからの新曲が積極的に取り上げられているというのもポイント。これはまさに、過去の遺産にすがることなく、「今を生きるバンド」としての姿をアピールしているという点で嬉しくなった。

加納さんがギターソロを弾きながら客席に降りてくる、誕生日の人をステージに上げての「Happy Birthday」、名曲コーナーと題しての「BE MY BABY」(透さん歌唱)と「YOU KEEP ME HANGING ON」というカバー曲…これらもベテランだからこその完成度の高いものになってるから驚き。なお、途中からキーボードも必要な曲が多くあるからと、こちらもおなじみのCHIEZOさんが加わって音に厚みを増していた。

さあいよいよ終盤のハイライト。古めの曲が増え始め、「ビュンビュン」そして「香り」でピークに。毎回おなじみの構成だが、やっぱり興奮するなあ。そしてここで一旦本編は終了。

アンコールでは透さんが歌う「悪魔のBaby」が披露され、最後の最後に加納さんのギターが泣きまくる「あの頃は」。これがまた感動的で、素晴らしい余韻を残して全編が終わった。

気がつけば真打の出番は2時間近くになっていた。これは今までになく長いのだが、長さを全く感じさせず(私が陰陽座山下達郎みたいな3時間超えに慣れてるからではない)あっという間に感じられたのもそのキャリアとさすがの演奏力、楽曲の力によるものだろう。

それにしてもこの熱さは一体何なんだろう?加納さんは今年65歳だし、リズム隊の2人も決して若くはない。なのに体の中から熱気を呼び起こされるこの感覚、やはりステージから伝わってくるものに共鳴させられるんだろう。恭司さんや岡垣さんたちも非常に高度な演奏力とその感覚を併せ持っているが、もっと原始的(もちろん良い意味で)な「野性」を刺激するのだ。こういう存在は今の日本では貴重なものだろう。

昨日届いたディープ・パープルの最新作のように落ち着いた音で味わいを醸し出すのもいいが、やはりロックであるからにはいくつになっても熱くあってほしい。それを体現しているバンドとしてこれからも刺激してほしい、そう強く感じた。ほんまに、若い人たちももっと見ておいた方がいいよ。

おまけ

物販コーナーで売ってた、加納さんのソロアルバムと別バンド「ATOMIC POODLE」のアルバム。いずれも加納さんがギターを弾いて歌うという点では同じなのに、聴いた感触は全く違う。この辺もまた引き出しの多さやね。同じく恭司さんがギター弾いて歌ってもBOWWOW、WILD FLAG、ソロで全く違うように。

そういうわけで、「加納秀人コレクション」も何気に増えてきております。あー、また部屋が狭くなるのに拍車がかかってくるなあ(笑)。