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おかんと温泉

おかんと温泉に行った。浴場はいっぱいだった。おかんは露天が好きだ。

ゆきこー、気持ちエエなぁ。

おかんは若い頃から合唱団に入っている。

露天が気持ちいいのか必ず誰もいないと

るるーるるーと発声をしだす。それがかなり楽しそうなのだがここは公衆浴場。

やめや、迷惑だい、とたしなめる。

ある日の温泉。

露天でおかんがいつものようにるるーるるーと歌うので、もう、うるさいよときつめに注意した。

おかんは少しだけふくれてるように見えた。

中湯船に入りに行き、おかんは何を思ったのか

あのなぁ、もうあんたは若いからええけどなぁ、お母さんとお父さんセックスレスやねん。

一瞬浴場の中の人たちの動きが止まる。

おいおい何を言い出しやがると、おかんを見やると

両足をばちゃばちゃお湯の中で動かしながら、もう何年なるやろなぁ、うーん、20年くらい、あんたいま、いくつやの。

おかんの側でつかっていた小さな子供を抱いた母親がそっと湯船から出た。

おかん、後にそれをおとんに言いました。

お母さんちょっちおかしいんちゃう。おとんは、それはきついな、と悲しげに笑っていたよ。